Facilitation Program
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造形ファシリテーション能力 獲得プログラム|The Promoting Program for Facilitation Ability of Art and Design

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2010年度 展示会・シンポジウムの報告

概要

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 2011(平成23)年1月28日(金)より30日(日)までの3日間、武蔵野美術大学新宿サテライト(新宿駅西口の新宿センタービル9階)で「造形ファシリテーション展示会・シンポジウム」を開催しました。これは学生の造形ファシリテーション能力獲得の成果公表や、造形ワークショップの「記録と表現」活動を促進し、さらに学内外の専門家を招いて一般に公開したシンポジウムなどによって教育活動を促進するために計画されたものです。
 昨年の展示会は、2010(平成22)年2月11日-12日の2日間で実施しましたが、今年は3日間で行いました。以下に概要を掲載します。なお、参加者から頂いた感想文の概要をはじめとした企画報告の全文は、2010年度『報告書』に掲載する予定です。


準備過程

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 この展示会・シンポジウムは、「造形ファシリテーション能力獲得プログラム」の中心となる企画として構想され、「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」の一環として予定されていたものです。2010年4月から授業科目「ワークショップ研究Ⅰ」及び「教職総合演習」5クラスでも説明して、教員と学生が準備をしました。また、シンポジウムの内容の充実に力を入れ、運営チームの会議で、招聘するゲストとの連絡調整などにあたりました。今回の展示は、「美術と福祉プログラム」をテーマとした教職総合演習Iの5クラス、新設授業科目「ワークショップ実践研究Ⅰ」、「旅するムサビ」などの三澤一実教授指導の課外活動、視覚伝達デザイン学科の齋藤啓子教授担当の授業や課外活動などです。
 学外への広報としては、チラシ、ポスター、葉書を作成して全国の大学、関東近辺の美術館、関係諸機関へ配付しました。またホームページにも記事を掲載しました。また、昨年までの大学の関連企画に参加した個人・団体にも名簿に基づいて送付しました。
 大学・機関等で、ポスター掲示などのご協力を得たことをこの場を借りてお礼申し上げます。


当日の概況

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 来場者人数は、28日(金)37名、29日(土)57名、30日(日)55名の合計149名でした。昨年度よりは減少しましたが、過去の同規模の展示としては平均的で、学外では大学・小中高の教員、学芸員、社会福祉、地方行政、企業団体関係者など様々な立場の方々が来場されました。学校教員や生涯学習機関職員では、過去の展示会にも参加したと自己紹介してコメントをくださる方もおられ、本学の造形ワークショップの取組全般への期待も寄せられました。
 展示は2つの教室を連結使用して、3日間を通じて11時から5時まで実施しました。教職総合演習Iの合計5クラス6施設が「美術と福祉プログラム」における学生の「記録と表現」をテーマに展示を行いました。また三澤一実教授の指導する学生課外活動は、 「旅するムサビ」関連で4枚のパネルとビデオでの上映をおこないました。また齋藤啓子教授の指導する視覚伝達デザイン学科のとりくみは、「小さな夏休み」「異才たちのアート展」などをテーマとして、パネル6枚と机上の実物による展示を行いました。


学生によるワークショップ発表会

 今年度は3つの枠で、それぞれ90分づつ、学生自身による「ワークショップ発表会」をおこないました。
 1月28日(金)午後1時より90分間の枠では、「学校と地域でのワークショップ」として運営チームのメンバーである齋藤啓子教授(視覚伝達デザイン学科)がコーディネートした5つのワークショップの発表がおこなわれました。①2010ルネこだいら「芸術家と子どもたちとの出会い」フェスティバルとして、2010年8月に小平市の文化施設イベントで行われた、学生が企画する遊びと創作の空間「子どもの広場 げんきモリ森」の取り組みの発表、②「異才たちのアート展」として小平市内の福祉作業所の障害者のアート作品展とワークショップ企画として小平ルネセブン商店街で展示・開催された様子の報告、③2010 「ちいさな夏休み Under the Sea」として武蔵野美術大学の構内で行われたる二日間の造形演劇ワークショップとして近隣小学生と本学学生が非日常的な遊びの空間をつくり出した記録、④「ハチラボでカメラボ」として渋谷区こども科学センターハチラボで行われたピンホールカメラでモニュメントをつくる小学生対象のワークショップの報告、⑤「ぽかぽかたかの台商店街」として大学の最寄り駅西武国分寺線「鷹の台」周辺の福祉のまちづくりをテーマに学生が障がい者とともに企画運営した参加型ワークショップの概況です。
 続いて同28日(金)午後3時より90分間の枠では、「学校と地域でのワークショップ」として、運営チームの三澤一実教授(教職課程研究室)がコーディネートした下記の4つのワークショップが発表されました。①「旅するムサビ」として学生が小中学校に赴いてワークショップや鑑賞の授業を行う取組の最近の実例が報告され、さらに②School Art Project 「ムサビる」として、東京都東大和市立東大和第二中学校でおこなわれたムサビ学生作品による二日間の美術館とするプロジェクトが報告され、③「芸術村スケッチ大会」として、長野県東御市梅野記念絵画館でスケッチ大会に集う子どもたちとの造形ワークショップが語られ、④「埼玉県障害者アートフェスティバル」として、埼玉県立近代美術館で学生が企画運営した取組が紹介されました。
 翌日29日(土)午後1時から90分は、「美術と福祉プログラム」として、小平市内の社会福祉施設で造形ワークショップを行った学生たちによる発表です。①あさやけ作業所サマースクール、②あさやけ作業所、③やすらぎの園、④けやきの郷、⑤小川ホーム、⑥曙光園で介護等体験をおこない造形ワークショップに取り組んだ学生たちです。状況を紙芝居(DVDビデオに編集)で紹介したり、施設からの要望でインテリア設計をした計画書を紹介したりと発表内容は多岐にわたりました。


シンポジウム 「福祉と造形ワークショップの可能性」

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 1月29日(土)午後3時から90分、シンポジウム「福祉と造形ワークショップの可能性」がおこなわれました。パネリストは、葉山登氏(川村学園女子大学准教授・本学講師)、杉山貴洋氏(白梅学園大学准教授・本学講師)、川本雅子氏(本学教職課程・芸術文化学科講師)、鈴石弘之氏(市民の芸術活動推進委員会理事長・本学講師)の4名で、コーディネータは取組担当者高橋陽一がつとめました。「美術と福祉プログラム」をおこなう「教職総合演習Ⅰ」は、本年5クラス6施設にわかれてとりくまれており、それぞれの造形ワークショップのあり方や美術教育、社会福祉などへの貢献、人材養成を論じました。参加者は50名でした。趣旨説明、4名のパネリストの報告内容、主な討議内容は、本年度『報告書』に概要を掲載します。


シンポジウム 「造形ワークショップの担い手とは」

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 30日(日)午後1時から午後4時30分までの3時間30分にわたって、シンポジウム「造形ワークショップの担い手とは」がおこなわれました。これは造形ワークショップのあり方やファシリテータを目指す学生たちへの提起を語り、武蔵野美術大学の造形ファシリテーション能力獲得プログラムの教員からも大学の現場からの提起などとあわせて課題を論じるものです。
 冒頭に挨拶が甲田洋二氏(本学学長)から述べられて建学の精神に基づく本学の美術教育と地域貢献の姿勢が強調され、さらに司会進行にあたったコーディネータ高橋陽一よりパネリストの紹介や「造形ファシリテーション能力獲得プログラム」の取り組みが紹介されました。つづいて、パネリスト有福一昭氏(青山こどもの城 造形事業部)、降旗千賀子氏(目黒区美術館 学芸員)から30分の報告がそれぞれの取組の経緯と現状に即して語られました。休憩後は、コメンテータとして齋藤啓子氏(本学視覚伝達デザイン学科教授)、三澤一実氏(本学教職課程教授)、長沢秀之氏(本学油絵学科教授)から、大学での取組をふまえてディスカッションが提起され、さらに参加者を含めた活発な質疑応答へと進行しました。なお、挨拶、趣旨説明、報告、コメント、討議については概要を本年度『報告書』に概要を掲載します。


その他

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 二つのシンポジウムについては、会場の都合上「シンポジウム事前予約」の事前手続きをよびかけ、予約者は29日は11名、30日は25名にのぼりました。また、本学の教育成果を社会に発信する取り組みとして、武蔵野美術大学出版局の刊行物を受付の横で展示したことについても、見学後に足を止めて閲覧する方が多くいました。第2日目には、第2回外部評価委員会を12日午後5時30分に本会場で実施し、外部評価の参考として展示を案内して学生による展示説明も実施しました。
 本学の教育の改善に生かすために、参加者に感想用紙を受付で配付して協力を呼びかけました。この概要も本年度『報告書』に掲載します。とくに、学生自身が語ったワークショップの企画に多くの感想やアドバイスが外部の専門家から寄せられ、励みになりました。またシンポジウムでは、焦点になった現在の「ワークショップ」の意義をめぐって実践に関わる方々から感想が寄せられています。
 学生スタッフも今回の企画を終えて、来年度以降にむけて展示や広報の工夫などを話し合い、これらの意見を本プログラムの運営チームでも共有しました。2011(平成23)年度の教育プログラムにも反映し、来年度もよい展示会・シンポジウムにしていきたいと考えます。
 この場を借りてご来場のみなさま、ご協力いただいた関係各位に重ねて御礼申し上げます。