プログラムの概要
文部科学省による選定と支援期間
武蔵野美術大学から申請した「造形ファシリテーション能力獲得プログラム ー 造形ワークショップの記録と表現による学士力の形成」は、2009年9月10日、文部科学省より平成21年度「大学教育・学生支援推進事業」大学教育推進プログラム【テーマA】として選定を受けました。これによって、10月21日より取組を開始いたします。文部科学省の支援は2年半のあいだ、2012(平成24)年3月まで、続けられる予定です。
主要な目的
「造形ファシリテーション能力獲得プログラム」とは、武蔵野美術大学造形学部の学士課程で獲得される造形の専門分野の能力に加えて、あらゆる人びとが造形の成果を享受するための活動を促進する専門家(ファシリテータ)としての能力を獲得することを目的としたプログラムです。
このプログラムにより、課題探求型の幅広い学びを学士課程における能力獲得として明確に位置づけて、授業科目等の履修記録で残りにくい学生による学内外での造形ワークショップの経験と知識を「記録と表現」を軸として蓄積して活用するシステムを開発し、造形学部における学士力を確立します。
この背景には、
創立80周年を迎えた武蔵野美術大学が、掲げてきた「教養を有する美術家養成」や「真に人間的自由に達するような美術教育」という建学の精神があります。この精神を21世紀の社会に活かす人物を送り出すために、このプログラムにとりくむものです。
「造形ワークショップ」の問題の解決と教育の充実のために
造形ワークショップを行うことで獲得されるファシリテーション能力は、プロセスと成果が学生一人ひとりの記録として保存されにくい問題点が指摘されています。つまり、ワークショップが一過性のイベントとして終わってしまうという問題点です。
このため、ファシリテーション能力獲得のためのシステムを開発して、武蔵野美術大学造形学部で養成される学士力のための教育課程を確立することが課題として取り組みます。このプログラムでは、実際には4年間の教育課程で多様に展開されている造形ファシリテーション能力の獲得の取り組みを横断的に位置づけて、その成果が体系的に記録され表現されるシステムを確立していきます。課題としては、(1)造形学部の学士課程教育を通じて本学学則のいう「文化の創造発展、社会の福祉に貢献」する人材を養成するための教育課程の充実、(2) 学生たちが幅広い学びを行い、課題探求能力を獲得してその成果を自ら蓄積していく「記録と表現」の充実、 (3)造形学部の学士課程教育の基盤整備として、学生の学習活動と教員の教育活動の記録を結合して、造形ファシリテーション能力獲得状況を記録し、その成果の公開と活用や評価システムを確立することが挙げられます。
具体的な取組課題
3年間の計画のなかで次のような課題に取り組んでいきます。
- 武蔵野美術大学造形学部の教育の蓄積を踏まえて造形ファシリテーション能力獲得のための基礎科目「ワークショップ実践研究」を2010(平成22)年度から新設します。
- 学生自身による「記録と表現」活動としての「造形ワークショップ記録」の作成と大学における公開システムの確立します。
- 学生作成の「造形ワークショップ記録」と指導担当教員による記録を統合して、学生一人ひとりの4年間の記録としての「造形ワークショップ・ポートフォリオ」の作成と公開を行います。
こうして、造形学部全体を通じた教育の交流、外部評価委員会等による評価のプロセスと連動し、学士力の向上のための改善システムの確立を進めていきます。
関連サイト
- 美術と福祉プログラム
(こちらは2009(平成21)年4月までの更新された旧サイトです。今後の内容は当サイトで提供します。)
- 武蔵野美術大学の各種GPについて
- 平成21年度「大学教育・学生支援推進事業」大学教育推進プログラム【テーマA】について(文部科学省)